顧客価値の仮説の続きです。
顧客視点を考察するにあたり、これまでに
- 18世紀の教育学の古典的名著「エミール」で有名な、ジャン=ジャック·ルソー
- 19世紀に活躍したオーストリア学派を創始した経済学者のカール·メンガー
を題材にお話をしてきました。
今回は、ご存じアブラハム·ハロルド·マズローです。
アブラハム・ハロルド・マズロー(Abraham Harold Maslow, 1908年4月1日 – 1970年6月8日)
マズローは、ニューヨーク州ニューヨーク市ブルックリン区に生まれ、人間性心理学の最も重要な生みの親とされている人物で、特に人間の欲求の階層(マズローの欲求のピラミッド)を主張した事でよく知られています。
このマズローの欲求のピラミッドで人間の持つ欲望を、
- 自己実現の欲求(Self-actualization)
- 承認(尊重)の欲求(Esteem)
- 所属と愛の欲求(Social needs / Love and belonging)
- 安全の欲求(Safety needs)
- 生理的欲求(Physiological needs)
の5つに分類しています。
このうち、「生理的欲求」「安全の欲求」「所属と愛の欲求認」「承認の欲求」をまとめて、「欠乏欲求」、「自己実現の欲求」を「成長欲求」分類しました。
マズローは、人はまず生きる等の生命としての基本的な欲求「生理的欲求」を満たした後に、安全・安心な暮らしがしたいなどの欲求「安全の欲求」、そして、家庭・会社・国家等のへの帰属を求める欲求「所属と愛の欲求認」、さらに、他人からの賞賛を求める欲求「承認の欲求」を求めるようになると考えました。今のSNSに代表される様々なアプリは、マズローの「承認の欲求」を強く反映した結果だと考える事も出来ます。
そして、最後には、あるべき自分になりたいという欲求「自己実現の要求」を求めるようになると言っています。
ここで、考慮しなければならないのが、「欠乏要求」は要求のベクトルが他人から自分への向き、「成長要求」は要求のベクトルが自身から外へ向かうと言う事だという事です。
当初マズローは「欠乏要求」が全て満たされると人は、「成長要求」が強くなると考えましたが、のちに最初から「成長要求」の方が強く「欠乏要求」が二の次の人もいるとも言っています。
そこで、三つ目の顧客価値の仮説として、
顧客価値=「成長欲求」「欠乏欲求」を満たす事。
と仮説を立てる事が出来ます。
次回は、ちょっと変わったところで、アンソニー· “トニー” ·ロビンス を例に顧客価値を考えていきます。
お楽しみに。